高次脳機能障害サポートチーム日記

2011年12月 2日

高次脳機能障害と仲間

いよいよ、12月に入り冬本番となってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
今年は、もうインフルエンザの便りも届いてきていますので、体調にはお気をつけてお過ごしくださいね。

さて、今週は高次脳機能障害と仲間についてお話をさせて頂きたいと思います。

きっと、このサイトをご覧になっている方々の多くはご家族の中に高次脳機能障害をお持ちの方がいらっしゃるか、もしくは、ご自身が高次脳機能障害をお持ちの方だと思います。

高次脳機能障害は、その発症の原因となっている病態によって様々な症状が現れます。
専門家が見れば、それらの多くはいくつかの症状に分類が出来るのですが、ご家族の方やご自身が生じている症状を分類し、対応に結びつけることは、とても難しいのではないかと思います。

まずは、高次脳機能障害についての知識をつける事が大切...と思っていても、残念ながら、高次脳機能に関する情報や仲間と出逢う場所も機会も少ないのか現状です。

もし、そのような方がいらっしゃいましたら、ぜひ高次脳機能グループのセッション(Area Varencia)に足を運んでみてください。きっと、新しい道や出逢いが沢山待っていると思います。
もう、一人で悩まなくても大丈夫ですよ。


心理士 篠田巴留香

2011年11月21日

認知機能訓練について

一般的には認知機能訓練という言葉自体をあまり聞いたことがないという高次脳機能障害の当事者またその御家族もまだまだ多いかもしれません。認知訓練とは障害によって弱くなってしまった認知機能に対するリハビリです。これは弱くなった機能を少しでも回復させるために訓練することだけでなく、問題のない機能をうまく利用して弱くなった機能のサポートができる訓練をすることです。

当クリニックでは認知訓練を積極的に行っています。実際の認知機能訓練はざっくり大きく分けると、注意力/集中力、記憶力、空間認知力、遂行機能、情報処理速度といった脳の機能をより向上させるためのものです。そのためにいろいろなドリルをしたり、ゲームをしたり、アートワークをしたり、、、、とさまざまなアクティビティを実施しています。

脳は細胞の集まりです。それらの細胞がいろいろなコミュニケーションネットワークを広げ脳のさまざまな部位と連携するので、人は考えたり、学習したり、また感情を持ったりということができるのです。これらのコミュニケーションネットワークは使えば使うほどスムーズに連絡が取れる仕組みになっています。つまりは、使わなければそのネットワークはとおりが悪くなったり、無くなったりしてしまうわけです。これは健康な人も高次脳機能障害を抱えた患者さんたちも一緒です。認知訓練では障害によってスムーズにいかなくなってしまったコミュニケーションネットワークを少しでも強いものにしたり、または変わりになる別ルートを作りだしたりということを促すために活動をしています。

認知訓練と認知機能について今後継続して書きたいと思っています。さらに当クリニックにおける認知訓練についてみなさんに御紹介できたらと思っています。

こうして文字にして書き連ねているととても固い内容ですが、実際の認知訓練はグループのモットーの"楽しい時間を過ごす!"を第一に私も毎回メンバーの皆さんと楽しい時間を共有できることを心から楽しみにしています。

                                   グループ・ディレクター(神経心理) 元木順子

2011年11月14日

高次脳機能障害のアートセラピー開催中

写真1.JPG当クリニックでは、毎週月曜日・13時から高次脳機能障害のアートセラピーを行っています。
 
初めに呼吸法を行い、心を落ち着けてからその週毎の作品を作ります。
そして、最後に皆さんでお茶を飲みながら作品について団欒するという流れです。
 
毎回グループの始めに少し呼吸を整えることで心のザワザワが軽減したと感じる方も少なくありません。普段の生活の中でご自信をリラックスさせる方法として活用して頂ければと考えております。
 写真4.PNG
作品を通して普段感じている感情や思いを表現する中で、当事者や家族の方の表情、行動、言動に色々な変化が見られます。中には、集中して製作していると体調が悪い事を少しの間忘れてしまっていた、久々に子供のように無心になれて楽しかった、自分の作品を見ていたらなんだか癒された、少しの間 自分自身の時間を持つことが出来て気分転換になったなんて方もいらっしゃいます。

自分が楽しいと感じることを無心になって行う、自分を表現するという事が、人間の色々な機能を刺激して心や体に変化を促してくれているのかもしれませんね。
これからも、参加者の方が「楽しむ、癒される」事へのきっかけ作りが出来ればいいなと思っています。

                                    心理士 今井

2011年11月 6日

ご家族の方々の情緒的ケアについて

当事者へのケアについては最近理解が深まりつつあるかと思われますが、そのご家族に対しての情緒的ケアについてはまだまだ不十分ではないかと思われます。
愛するご家族が一瞬の事故などによって、以前とは別の人のようになってしまった、と感じたときの悲しみ、そして、喪失体験はさまざまなものがあります。
しかし、その「悲しみ」「苦しみ」に対し、そのつらい過程を乗り越え、新たな心構えを作っていく(再構成)していく必要があると思われます。
難しいことだとは思われますが、「閉まったドアに目をむけ、開かれたドアを見ない」ということは、前に進むことができないと思われます。
高次脳機能障害へのサポートを通じて、ご家族がイキイキされている方が、当事者の方に笑顔が戻り、社会復帰率も高いような気がしました。
ひとつのドアが閉まってしまった、と感じるときがあるかと思いますが、必ず新しいドアが開くときは訪れると思います。
次回から何回かに分け、ご家族の「悲しみ」に焦点をあて、またその悲しみに対する具体的なサポートを考えてゆきたいと思っています。
                        心理士 中村恵美子

2011年10月30日

心の絆を信じて!

高次脳機能障害の当時者、ご家族の支援を通じて、<こころの絆>というものの大切さをいまさらながらに実感させられます。
当事者の方通し、あるいはご家族どおしの暖かい絆が生まれるとともに、PBS(ポジテイブ・ベヘイビアー・サポート; 今日、高次脳リハの根幹に必要とされている包括的リハの中核概念です)が生かされながら、当事者の未来のイメージが豊かに築かれていきます。 何かその流れにのっていくように、徐々に当事者の変化が見られるのです。

 最近、某番組で すばらしい介助犬との出会いが、重度の高次脳機能障害者のこころを変化させ、家族の持つ彼のイメージも変化させていくという実話の解説をさせていただく機会に恵まれました。何か、その犬の直感力が彼を変えながら彼の自尊心を支えて、さらに、家族の彼に対するイメージもポジテイブに変化させていきました、その大きな波にのって彼自身が本当の意味で回復していったという物語です。 

 そんなことは珍しいことだ!、からこそ、テレビにも取り上げられたわけではありますが、実際の臨床のなかで、それは決して珍しいことではないと私は信じます。

 ところで、1996年ことにRizzorattiという研究者が、霊長類に「ミラーニューロン」といって、相手の動作や感情を受け止める(真似する)システムを発見しました。脳と脳とが出会うとき、脳は脳のまねをして変化していきます。いまのところ、霊長類と、どういうわけか、鳥類の研究が盛んで、犬のミラーニューロンの研究はまだこれからですが、感覚的に、哺乳類にはほぼ同系のシステムが存在すると考えています。

 私は、何か、このミラーニューロンシステムの活性化が、脳の変化、機能改善、神経システムの再生に向けての生物学的な基盤になっていると思えてなりません。つまり、臨床的な事実として、ミラーニューロンの活性化を起こすような事態が損傷脳の修復のための大切な要素のひとつになっていることは間違いないからです。

 <こころの絆>、その簡単で、かつ、とても難しい人と人との出会いのすばらしさに向けて、今後とも精進していきたいと考えています。 よろしくお願いします。

                                                      院長

2011年10月25日

悲しいときには泣いたっていいんだ!

高次脳機能障害のご家族とお話をしていると、とにかく自分が常に前向きに構えていないと、すべてが壊れてしまうような不安感を抱えておられることに気付くことも多いのです。そこで、当院では、そんなご家族の気持を受け止め、応えていく作業を通して、逆にご家族一人一人の素晴らしさに出会うことも多いのです。 「包括的」という言葉だけでは表現しきれない、人と人との出会いを大切にしてこうと考えております。

                                                      院長

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